今放送中なんだけど(*)、どういう態度で見ればいいのか分からずやや混乱状態。大好きだったレスラーが亡くなるのは辛いに決まっているが、どうにもその死を素直に悲しめずにいる。番組進行中だが「どうしてそうなるか」を駄文にしてみる。
(*この投稿は放送中に見ながら書いたものなんだけど、直下のエントリにあるような理由で今までのブログにアップしようとしたらできず、この新しいブログを作って放送後に改めてアップしてます)
---
常に数週間遅れでWWEの番組をフォローする自分、今日(6/25)は夕方時間ができたので先週(6/18放送分)のRAWをいつものように早送りで消化。
現在のWWEは「ビンス死亡(か?)」というとんでもないアングルをやっている。オーエンやエディが亡くなった時のような「ストーリーラインを棚上げして真面目モードで死者(ビンス)追悼放送」をフェイクでやったり。で、今回(6/18)は最後にステフが出てきて泣きながら「来週誰がダディを殺したか突き止めて復讐してやる」と言ったり。観客達は嘘だと分かっているので(ステフの目から涙は出ないし)ブーしてる。当然のようにこのアングルはファンからの評判は悪い。「あからさまさ」は プロレスの特徴だけど、いつものように「馬鹿馬鹿しいほど開き直って誇張する」のではなく、変にシリアスに演じている(が、わざとらしい)ので痛いし、過去の追悼番組の真摯さを自ら汚してるが如しだし。(**)
(**ただこのアングル、「毎週見てはないけどWWEに興味を持っている人」等に効果があったりもしたよう。今日「ビンス死亡ってテレビに出てたんだけど本当?」って電話をくれた友人もいた。)
それを見終わった後、出かける前に何気なくネットをチェック。そうしたら某メーリングリストに「クリス・ベノワが死亡。奥さんと子供とともに自宅で死亡しているところ が発見された。詳しいことは不明」というニュースが入ってきていて、言葉を失う。今日(6/25)のRAWは三時間のビンス死因究明スペシャル(笑)のは ずだったのだが、興行自体が中止になり追悼番組をやるというので、予定を無理矢理変えてそれを見ることに。見なければならない。
追悼番組が始まる。空っぽのアリーナのリングに(死んだ?ことになっている)ビンスが登場して
「本日のストーリーラインは、私の演じる『ミスターマクマーン』の死についてお送りする予定だったのですが、現実にクリス・ベノワと奥さんと息子さんが亡くなってしまったため、本日のショーはやめてベノワを偲ぶことにします。」
みたいなことを言ってショーが開始。
ベノワの生い立ちやレスラー人生を追うクリップ。ベノワの名勝負。ストンコやマレンコ等のレスラーたちによるコメントが流される。オーエンやエディが亡くなった時の(ストーリーラインを棚上げしたマジモードの)追悼番組と同じフォーマット。上述のようにWWEは、2週間前はこのマジモード追悼番組をそっくりなぞったパロディをやっていたんだが、今回「マジモードのパロディとしてのストーリー」が、再びマジモードによってかき消されるというややこしい事態に。それでもベノワの死の圧倒的な現実としてこっちに迫る。辛い。詳しい原因知りたいので、番組見ながらネットもチェック。「頼むからこれは最近のくだらないストーリーラインの一部だと言ってくれよ!」という掲示板の書き込みを読んで涙が。
が、この追悼番組を見はじめて数十分もしないうちに、メーリングリストから新しいニュースが。まだ詳しいことすら分からないこの死亡事件だが、なんと「ベノワが 奥さんと子供を殺してから自殺した疑いもある」とか書かれている。信じたくない。が、この番組はもしかしたら「殺人者を追悼しその人生を祝福している」可能性もあるってことだ。この番組どう見ればいいんだ? 今は(はっきりしない)事件の真相とは関係なくベノワという偉大なレスラーを偲ぶ時だ、と頭では分かるけど・・・。感情が見つからない状態になってしまった。
追悼番組は続く。シナのコメント、マレンコ戦、マレンコのコメント等が流れてから、ステフのコメントが流れる。自分がつい数時間前に見た6/18放送分のステフが思い浮かぶ。というかそっくり。さっきはいかにもな(涙も出ない)嘘泣きをしながらビンスの死を悲しんでいたステフが、今回はそれとほとんど同じような顔で涙声で(でも涙は流さず)ベノワの死を悲しんでいる。「さっきのステフには笑うなりブーするなりしして、今度のステフとはいっしょに泣いてベノワの死を悲しむ」のがファンとて正しい反応なのだろうと思うが、 この両方のステフの違いが(見た目では)あまり分からない。フェイクとリアルが妙にまざっちゃって、うまく反応できない。
日本におけるライガー戦も流され、追悼番組も終盤に来ている。彼の人生のハイライト。2004レッスルマニアのトリプルスレットマッチの終盤が放送されている。どういう姿勢で見ればいいのか分からんまま。この駄文も終わらせよう。
---
チョップ、ダイビングヘッド、ジャーマン。ベノワの繰り出す技の一発一発には、見てるこっちの体にまで響いてくるかのような物理的な力があった。ベノワのような選手には「ファンタジー」とか「マジック」といった形容はまるで似合わないけど、彼もまた魔法使いだったと思う。